ちょっと待って。WordPress有料テーマ・テンプレートの落とし穴【手軽に見えてデメリットが多い?!】

ちょっと待って。WordPress有料テーマ・テンプレートの落とし穴【手軽に見えてデメリットが多い?!】

こんにちは。
サイトの制作・更新事務所の「Vanilla Bear(バニラベア)」です。

100サイト以上のサイトに携わった経験をもとにお伝えしている、
知っとくとサイト運営にちょっとためになる「サイト運用あれこれ」について、
今回は「WordPressの有料テーマ」についてです。

「WordPressのテーマ」、見たことありますか?
WordPressの既に販売されているテーマは、テンプレートのようなかたちで、知識がなくてもテキストや画像をあてはめていくだけで、おしゃれなサイトが持てるので便利ですよね。

有料といっても、コスト面でも普通にサイト制作を発注するより抑えられることが多いと思います。

初期コストを抑える、手軽に始めるには、とても良いと思いますが、4年以上サイト制作から運用まで関わる仕事をしてきて、オリジナルテーマから、無料テーマ、有料テーマ様々なサイトに携わってきた経験から、有料テーマにもいいことばかりじゃない、むしろ気を付けたほうがいいと感じることが多くあります。

ということで、今回は、有料テーマを検討している方、有料テーマってどうなの?と思っている方に、購入前に知っていただきたい有料テーマの落とし穴(少し良い方は悪いですが)についてお話ししたいと思います。

デモ通りに綺麗にならない

ならない、というのは言い過ぎかもしれませんが、有料テーマでは大抵デモサイトがありますよね。
デモを見て、気に入ったものを購入すると思います。

しかし、購入したら即そのデモのようなかたちになるとは限りません。

サイト内の色んな機能・項目を設定済みにしてはじめて、そのオシャレな表示がなりたっていることがほとんどです。
テーマの機能は様々なものがあり、そもそもどんな機能があるのか、その設定場所、設定方法など触って、調べて、としていくと結構時間がかかります。

あとは、デモではサイトを美しく見せるために、美しい画像がバーンとページの大部分を占めるように、大きく掲載されていることが多いですが、この部分も自分で用意した画像に置き換えることになるので、デモと実際とでかなり印象が変わってきます。
プロのカメラマンに撮ってもらった画像を用意することが難しい場合も多いと思いますので、画像を大々的に用いて、美しさをアピールしているデモサイトであればあるほど、イメージが違うな、となりがちです。

また、テーマにさらに有料のオプションを付けたものがデモとして載せられていて、実際はオプションを購入しないとそのような機能、デザインができないというパターンもあります。

デモサイトの紹介文などで明確になっていればいいですが、よく見せるために、機能をモリモリにしたバージョンをデモとして見せている、一番目立つところに載せて紹介しているテーマも中にはあります。

すぐに自分で公開できる、というメリットのために購入したものの、どこから何を設定するのか管理画面を色々見てみないと分からない、結局は色々調べたり、使い方を覚えないといけない、という手間が発生します。

有料テーマを購入したものの、デモの様にならない、どうやったらいいか分からない、といったご相談を実際にたくさんいただきます。

また、そもそもどこまでが、その料金に含まれているのかが分かりづらいことが多く、さらにオプションを購入しないといけなくなるパターンもあります。

テーマによりますが、オプションなのか買い切りで実現できるのか、その見分け方が複雑なテーマもあるなという印象です。

予想外の費用がかかる

テーマの販売元も、おしゃれなデザインのテーマを、通常の制作料金より安く販売しているので、その代わりにライセンスというかたちでとっている場合もあります。

ライセンスの例としては、そのテーマを購入した人以外が編集する場合は、ライセンスの購入が必要というテーマがあります。

そのライセンスにも3万円などするので、テーマ購入と同じくらいの料金がかかることとなります。

前項にて、「自分でできないところが出てきたから専門の人にお願いしたい」となった場合や、単純に「ページの一部を変えたい」、「更新を頼みたい」となったとき、そのお願いする人がライセンスを持っていないと作業ができません。

ライセンスは3万円などしますし、そのテーマのライセンスを業者が誰でも持っているというものではありませんので、大抵は依頼者さんに負担いただくこととなります。

テーマを買って自分でやってみるというケースが多いでしょうし、誰かに作業を頼むということは、購入時には念頭にないことも多いかもしれませんが、サイトを運用していると、公開時のまま、ということは少なく、変更などは加える場面が出てくるものです。

そういったときに、思わぬ費用が発生してしまう可能性があります。

カスタマイズする側からも工数がかかりがち

テーマに色々な機能がついていたとしても、自分の希望どおりの機能であるとは限りません。
そこを自分の希望のオリジナルの機能にカスタマイズしたい、となったときにほとんどはシステムを編集する必要があり、業者に依頼することになるかと思います。

そのサイトを依頼された側、WordPressの有料テーマを色々とカスタマイズしてきたエンジニア側からの目線となりますが、既製のテーマは既に独自にカスタマイズされまくった状態だからこそ、色々な機能が使えるようになっています。

その色々に独自にカスタマイズされまくった状態に、オリジナルのカスタマイズをしようとすると、そのカスタマイズを紐解きながらうまく機能を追加・変更していく必要があります。

もちろん時間をかけてみていけば何とかなるのですが、工数がかかる分、調査にお時間がかかったり、作業費用もその分いただくこととなりがちです。

いらない機能がついている

ついている分にはいいじゃないかというかもしれませんが、その分サイトが重くなっていることが多いです。

多機能でECにもブログにでもなんにでも対応できる、というテーマには、使わないプラグインが大量に入っていることもあります。

サイトが重いということはページの表示速度にダイレクトに響き、ページの表示速度が遅いとSEOでも不利になってしまいます。
テーマにあらかじめ設置されているプラグインの必要・不必要を見極めることは、一般の方には難しく放置しておくしかない状況かと思います。(知識がある人でも、どれを消していいかを調査するにはそれなりに労力がかかります。)

まとめ

上記の点から、今とりあえずサイトがいるから、とさっとその場をしのぐ場合や、有料テーマの機能の中で、機能を把握して使いこなせるという場合には有料テーマを利用することはありかと思いますが、サイトを運用していると、サイトを大事にすればするほど、長い目で見るとあまりおすすめはできないというのが正直な感想です。

Webサイトは上手く使えば24時間休まない営業ツールとなりうるので、WordPress有料テーマに数万出そうとしている方がいたら、少し思い切ってオリジナルテーマでの作成も考えてみるのも良いかもしれません。