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「ちょっとだけ直したいんですが…」そのご相談に、誠実にお応えするために

「この部分、少しだけ変えたいんですが、いくらになりますか?」

Webのお仕事をしていると、よくいただくご相談です。

でも正直なところ、これは一番むずかしい質問でもあります。

たとえば、車の「車検」をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

車検を受けるときって、

「とりあえずエンジンの調子が悪いかも」と思ったら、実際に工場で車を見てもらってから、点検・整備の内容や費用が決まりますよね。

車検のように“まず中を見てから”というのは、実はリフォームや医療の診断にも似ています。外から見ただけでは判断できないことって、けっこうあるんですよね。

Webサイトも、実はそれに似ています。

“ちょっと直すだけ”に見えるご依頼でも、中を開けてみると、意外と複雑な構造だったり、関連する別の箇所にも影響が出そうだったりすることがあるんです。

見積もりは、「中身を見てから」じゃないと、ちゃんと出せません。

Webサイトは見た目こそシンプルに見えますが、その裏にはテーマ・プラグイン・独自のコード・設定など、色んなレイヤーが重なっています。

だから、いきなり「いくらですか?」と聞かれても、「見てみないと分からないです」というお返事になってしまいます。

もちろん、概算でお伝えすることもありますが、それでもやっぱり一度は中を確認させてもらってから、が理想です。

私も見積もり対応には毎回、結構なエネルギーを使っています。

どこに手を加えるか、どう直すのが最善か、その変更が他に影響しないか、バックアップは必要か――

一つひとつ確認しながら「この方法ならいけそう」「この構成ならこのくらいかな」と考えていきます。

なので、見積もりフォームに入力して一瞬でポンと金額が出る、…という感じではないのが現実です。

(実は「見積もりをする作業」そのものが、立派な有料工程だと私は思っていますし、実際、私は毎回かなりの時間をかけて経験や知識を総動員して向き合っています。)

見積もりをお送りする前に「サイトのログイン情報を確認させてください」とお願いするのも、そういった背景があるからです。

すでにサイトがある状態での修正は、ゼロから作るよりも、“構造に合わせてどう組み込むか”という判断が増えます。

それはちょうど、既存の家にリフォームを入れるようなもので、現場を見ずに「ここに棚をつけて」とは言えないのと似ています。

もちろん、はじめて相談する側からすると

「なんでそんなに見たがるの?」「軽い修正でも?」と思うかもしれません。

でも、そこをご理解いただけるだけで、きっとやりとりのスムーズさも、仕上がりの満足度もぐっと変わると思っています。

おわりに

こうした“ちょっとした修正”ほど、見積もりで悩むことが多いです。

でも、逆に言えばそのひとつひとつにちゃんと向き合って、大事に提案しているということでもあります。

「どこまで確認したらいいか分からない…」という方も、遠慮なくご相談いただければ大丈夫です。

そのときは、しっかり現状を見てから、一緒にベストな方法を考えていきましょう。