「Wixじゃないから安心」…とは限らない
最近では、WixやSTUDIOなどノーコードツールを使ったホームページ制作が増えています。
一方で、「やっぱりWordPressのほうが自由度が高いから」と既製テーマを使ってサイトを作る方も少なくありません。
でも、実はよくご相談をいただくのが、
「WordPressならもっと色々できると思ってたのに…」
「テンプレートをベースにしたら逆にカスタマイズしづらかった」
という“思ったよりできない”という声です。
既製テーマ＝万能ではない
たとえば「TCD」や「Lightning」「Snow Monkey」など、有名な既製テーマは、デザイン性や機能性の高さから人気ですが、そのぶんカスタマイズには専門知識が必要なこともあります。
たしかにWordPressは、拡張性・柔軟性のあるCMSです。
でも、「既製テーマを使ったサイト」には、以下のような制限も存在します：
- テーマのデザインや構造がある程度固定されている
- カスタマイズのためにPHPやCSSの知識が必要になる
- 表示速度が遅かったり、使わない機能が多すぎて管理が大変
- 更新や編集画面が複雑で、逆に使いにくい場合もある
つまり、Wixよりは確かに自由ですが、“オリジナルで作るほどには自由ではない”というのが現実です。
実際にあったご相談から
普段からご相談いただく中で、
「WordPressにすれば理想のデザインができると思っていたのに、テーマの構造上どうしても無理があると言われた」
「自分で編集したいけど、どこを触っていいのか分からなくて結局更新できない」
といったケースが多くあります。
こういった状況は、「Wixなどの制約に不満を感じてWordPressに来たのに、また別の壁にぶつかる」という、二重のがっかり体験になってしまうこともあります。
自由度は「仕組み」×「構築の仕方」で決まる
ここで大切なのは、
「WordPressを使っている＝自由にできる」ではない
ということです。
自由度の高さは、単にCMSの種類ではなく、
- どのようなテーマ（既製 or オリジナル）を使っているか
- コーディング・設計がどうされているか
- 運用や更新のしやすさが配慮されているか
といった、“どう作ったか”の部分で決まるのです。
オリジナル構築との違い
私の制作では、オリジナルのデザインと構造で一から組み立てることが多く、以下のような違いがあります：
| 項目 | 既製テーマ | オリジナル構築 |
|---|---|---|
| デザイン自由度 | テンプレートに沿う必要あり | 事業や目的に応じて自在に設計 |
| 表示速度 | 重くなりがち | 必要なものだけで軽量構築 |
| 更新のしやすさ | テーマの仕様に依存 | クライアントの運用に合わせて設計 |
| 表示崩れの修正 | 複雑で原因が追いづらい | 自作のため構造が把握しやすい |
「予算や時期の都合で既製テーマ」はアリ。でも…
もちろん、「まずは予算や時間を抑えて、既製テーマで立ち上げたい」というご相談もありますし、
それ自体が悪いとは思いません。
ただしその場合も、
「あとからカスタマイズしたい」「運用しながら育てたい」といった希望があるなら、
最初のテーマ選びや構築方法には注意が必要です。
特に、「今は妥協だけど、いつかきちんと作り直す前提」としておくと、将来的な移行がスムーズになります。
終わりに：ツールではなく、“どう作るか”が大切
Wixでも、WordPressでも、STUDIOでも。
大事なのは「どのツールを選ぶか」ではなく、
“どんな運用を想定していて、そのためにどんな作り方を選ぶか”
という視点です。
サイトは「作って終わり」ではなく、「使いながら育てていくもの」。
そのための土台として、“今後の自由度”が確保された構築”が、あとあと効いてきます。
こうした視点を踏まえながら、私の制作では、事業の内容や今後の運用に合わせて、オリジナルの構造で一から設計することがほとんどです。
更新しやすさや拡張性を考えた「使っていける土台」を一緒に作ることを大切にしています。
サイトの「これから」を見据えた構築や見直しについて、気になることがあればいつでもご相談ください。